40代・50代・60代から三線は上手くなれる?年代別に三線教師が答えます(後編)

石垣島三線体験教室(山本恭照三線研究所)の山本です。
35歳から三線を始めた経験をもとに、大人の方にも分かりやすく、感覚に頼らない教え方を心がけています。
前編では「三線教室の年齢層」についてお話ししました。当教室で一番多いのは50代の生徒さんで、30代は「若手」と呼ばれています。
後編の今回は、40代・50代・60代から三線を始められるのか(弾けるのか)、そして上手くなれるのかについてお話しします。
はじめに、言葉の意味をそろえておきます。三線は唄いながら弾く楽器です。そのため、この記事では「弾ける」を「唄いながら弾けること」、「上手くなる」を「三線も唄も上手くなること」とします。
年代によって上手くなるまでの道のりは変わります
当教室には30代の生徒さんもいるので、まずは30代から順にお話しします。
30代は良いところばかり
私は35歳で三線を始めました。50代から始める方が多い今から見ると、早く始めたほうだったと思います。始めるのが遅かった、という感覚はまったくありませんでした。
30代からの三線には、マイナスの要素はほとんどありません。良いところは次の5つです。
- 唄声の張りがある
- 吸収が早い
- 頭がやわらかい
- 直す力(修正力)がある
- 練習すればするほど上手くなる
30代の三線は、希望ばかりです。
40代は頑張りでカバーできる
40代に入ると、中年と呼ばれる世代になります。三線を始めるには少し遅い感じがあり、技術を身につけていく中で多少戸惑うこともあります。唄声の張り、吸収力、頭のやわらかさ、修正力は、30代に比べると落ちてきます。
それでも、40代は頑張りでかなりカバーできます。毎日のようにコツコツ自己練習を重ねる方は、驚くほど上手くなることもあります。
当教室でも、40代で始めて上手くなり、コンクールの発表会で優秀賞の独唱に選ばれた生徒さんがいます。独唱とは、コンクールに合格した人の中から技量が高いと認められた人が、発表会で一人で唄うことです。名誉ある機会です。
頑張り次第で大きく伸びる可能性がある。それが40代です。
50代はかなりの努力が必要
前編でお話ししたとおり、今は50代から三線を始める方がとても多くなりました。
ただ、率直にお伝えすると、50代からの三線は「始めるには遅い」というのが私の考えです。「年齢は関係ありません」と言うほうが聞こえはいいかもしれません。でも、三線教師としてそう言うのは無責任だと考えています。
50代になると、唄声の張りがなくなり、吸収はゆっくりになり、頭のやわらかさや修正力も落ちてきます。練習量が少ないと、まったく上手くなりません。特に問題になりやすいのが「修正力の遅さ」です。
60代からは自己練習を3倍に
60代からの三線は、50代とほぼ同じです。ただ、自己練習の量はさらに増やす必要があります。目安は30代の3倍ほどでしょうか。
唄声の張り、吸収力、頭のやわらかさ、修正力はいっそう落ち、特に修正力が大きく下がります。60代は自己練習を休むと、技量があっという間に後退してしまいます。
70歳近くから初めて楽器に触れる場合、楽器の経験がある方なら弾けるでしょう。楽器の経験がない方には、正直に申し上げて厳しい面があります。
50代からでも上手くなる人の条件

50代でも「遅くはない」という方はいます。それは次の2つに当てはまる方です。
楽器の経験が長い人
三線はほかの楽器に比べると、比較的簡単な楽器です。長く楽器を続けてきた方には音楽の感性が備わっていて、それが三線でも活きてきます。三線はもちろん弾けますし、上手くなれる可能性もあります。
「上手くなりたい」気持ちと、2倍以上の自己練習
楽器の経験がない50代の方は、なかなか厳しいのが現実です。そこをカバーするのが「上手くなりたい!」という強い気持ちです。
ただ、気持ちだけでは上手くなりません。くり返し自己練習をして、はじめて上手くなります。
目安は、30代・40代の方や、楽器経験のある50代の方の2倍以上の自己練習量です。2倍以上やれば、楽器経験のない50代の方も三線は弾けるようになり、上手くなっていきます。
「今が一番若い」は半分当たり、半分外れ
「今が一番若い」という言葉があります。とてもいい言葉だと思います。
ただ、三線に関しては半分当たり、半分外れだと考えています。やはり、三線を始めるのは若いほうがいいからです。
だからこそ、40代・50代・60代の方が三線を始めたいと思ったら、今日から始めるべきです。「どうしようかな」と迷っている時間は、もったいない時間になってしまいます。
上手くなるかどうかは、最後は本人次第

40代・50代・60代からでも、三線は弾けます。三線教室に入れば、もっと弾けるようになります。
若い人のほうが上手くなる可能性が高いのは確かですが、そうではないことも往々にしてあります。年齢だけで決まるわけではありません。
入っていただいた方には、全力で教えます。どうしたら上手くなるのか、あの手この手を考えて力を尽くします。
ただし、そのあと生徒さんが何もしなければ、上手くはなりません。生徒さんの側もコツコツ自己練習を重ねて力を尽くせば、どんどん上手くなっていきます。
教室に通うだけでは上手くならない理由は、『「通うだけ」では上手くなりません。短期間で三線が上達する人の共通点』でもお話ししています。
まとめ
年代によって、上手くなるまでの道のりは変わります。30代は良いところばかり、40代は頑張りでカバーでき、50代・60代はそれぞれ30代の2倍以上・3倍ほどの自己練習が目安です。
それでも、40代・50代・60代から三線は弾けます。上手くなるかどうかは、最後は本人次第です。始めたいと思ったら、迷わず今日から始めてみてください。
「40代・50代・60代からの三線」に関するよくある質問
はい、始められます。ただ当教室は上手くなって欲しいという願いがあります。楽器の経験がない50代の方は、相当の努力が必要です。30代・40代の方の2倍以上の自己練習が目安です。そのくらい練習すれば、三線は弾けるようになり、上手くなっていきます。月謝制教室に入っていただいた方には、全力で教えます。
楽器経験のない60代が上手くなるのは簡単ではありません。ご本人のかなりの努力が必要です。60代は自己練習を30代の3倍ほどに増やす必要があります。60代は自己練習を休むとすぐに後退してしまうので、コツコツ続けることが何より大切です。
年代によって違います。目安は、楽器経験のない50代の方で30代・40代の2倍以上、60代の方で30代の3倍ほどです。毎日コツコツ続けることが大切です。
はい。当教室にはオンライン教室があり、石垣島の外からでも習うことができます。まずは30分の無料体験で、教室の雰囲気を確かめてみてください。
執筆者紹介

三線教師
山本 恭照やまもと やすてる
山本恭照三線研究所 代表 石垣島を拠点に、体験・月謝制・オンライン教室を主宰。 35歳で三線を始めた自身の経験から、初心者がつまずくポイントを熟知。八重山古典民謡コンクール最優秀賞受賞の確かな技術と、論理的かつ丁寧な指導で、観光客から移住者、全国の生徒へ三線の魅力を伝えている。



